没落貴族で、現在はグリダマス辺境地守備軍の補佐官を務める。
親しい友人からは「レオ」と呼ばれており、戦場においては輝く黄金の剣を手に戦う姿から
「金色のレオ」と呼ばれ、恐れられている。
若いながらも、所属する第11騎甲連隊の実質的な指揮官としてだけではなく、
最前線に立ち戦うことを常とすることから、兵からの信望も厚い。
それゆえ他の隊を指揮する貴族には快く思われていない。彼が元貴族であることも、
これに拍車を掛けている。彼が最も危険な地域の任に就き続けなければならないのは、
このことと無縁ではない。
その声望が高まるのは、激戦地での戦いから逃れたいと考えている貴族たちの身勝手さ
ゆえのことであり、やっかみ以外の何ものでもないのだが。
レオンハルトが没落貴族となったのはプラッハムとクラヴィス家の陰謀によるもので、
国では有名な話であり、そのことをレオンハルト本人も知っていた。
しかし、復讐は混乱を招くだけとした父親の遺志に従い、汚名を着ることを受け入れたのであった。
勲功を挙げ家の再興を果たすために、敢えて激戦地に身を置くが、
次第にこの戦いに疑問を抱くようになる。
騎士である自分と、一人の人間としての自分、その狭間に揺れながら目にしたのは、
一方的な破壊と殺戮であった。
凄惨な光景を前に、騎士の道を捨て、祖国の命に叛き、エルフの少女を助ける。
しかし、メルヒオルと、彼に付き従う異形の戦士――黒の騎士――との戦いで重傷を負ってしまう。
やがて命尽きようとしたとき現れたディシャナと契約を結び、以降、「魂の器」となる。
それは後代にまで及ぶ、決して逃れられぬ、文字通り、魂の契約であった。
ディシャナと契約したレオンハルトは常人を遥かに凌ぐ力を手にしている。
この力により少女――エリス――を救い、やがてルクレリアの戦乱を終結へと導くのであった。
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